Takecの本ブログ

好きな本について。毎月『きっかけ読書会』を主宰。

愛読の始まり?

マクベス』ウィリアム シェイクスピア (著),  安西 徹雄 (翻訳),(光文社古典新訳文庫
 

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偉大な文学者が、口を揃えて賞賛するシェイクスピア
 
あの文豪ゲーテにも別格扱いで尊敬されています。「シェイクスピアは偉大すぎて読むのは年1回くらいにした方がいい。」と、『ゲーテとの対話』の中で言っています。
 
また、生涯数万冊を読破したノーベル文学賞作家のヘルマン・ヘッセが推賞する「世界文学リスト」に、シェイクスピアの作品が軒並み名を連ねています。
 
何度も挫折しましたが、まずマンガから読んで、ストーリーの全体像を把握して、原作を読むと読めたこともあり、好きになっていきました。
 
ハムレット』『マクベス』『リア王』『オセロー』『ジュリアス・シーザー』『ヴェニスの商人』『ロミオとジュリエット』『リチャード3世』などを読みましたが、シェイクスピアの何が凄いのでしょうか。
 
個人的な意見ですが、シェイクスピアが凄いのは、人間の欲望とか本質の描写、圧倒的な珠玉の言葉の芸術と表現、ストーリーの面白さ、楽しさやエンターテイメント性と、時々挟まれる人生訓や金言の掛け算が唯一無二であるからだと自分では思ってます。
 
そして、これらの偉大な作品をもう一度読もうと思って、2周目にチャレンジしているところです。
 
ハムレット』『リア王』『ヴェニスの商人』は2回目を読み、次は『マクベス』を読んでみようと思いました。
 
ゲーテも、「中でもマクベスが、1番優れている」と言っています。
 
物語の内容としては、スコットランドを舞台とした、王位継承を狙う野望の強いマクベスと夫人がしかける血なまぐさい権力闘争劇。
 
権力の座に就きたい人間の本性や欲望、逆に正義感のある人間の誠実さや愛国心が描かれており、
三人の魔女の登場と魔女の予言、謎かけも含んだストーリーの楽しさやエンターテイメント性もあり、
いくつもの煌めく言葉の芸術とアート、時々挟まれる人生訓や金言も含めてやはり素晴らしいものがあります。
 
この本を読んで、改めてシェイクスピアは愛読していこうと思いました。
次は『オセロー』を読み直してみたいと思います。
 
そして、権力や出世や地位を追い求めるのではなくて、それ以外の幸せを大事にしようと思いました。
 
意思とともに、実行を速くする。
さいげんを知らぬ放縦は控える。
※放縦 ほうしょう ・・・思うままにふるまうこと。
 
これも学んだことですね。
 
いくつか、響いた言葉たちをメモしておきます。
 
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あいつのまぶたに眠りの宿ることはない
 
そなたの武勲の足取りはあまりに速く、いかなる恩賞が翼で翔けても追いつくことは叶わぬ
 
天の星々よ、光を消せ。おれのこの胸の奥底にわだかまる黒い野望に、光を当てるな。手のやることを目には見せるな。
 
さあ、来い、闇深い夜、真っ黒い地獄の闇に身を包め。そうすれば私の鋭い短剣も、刃がえぐる傷口を見ることはなく、天が闇の帳をつらぬき、高く呼ばわることもあるまい、「待て、待て」と。
 
罪のない花を装いながら、花の陰に隠れているヘビでいなくてはなりません。
 
この城には天の息吹も、かぐわしい香りを吹き送っていることが窺われます
 
邪な帳の陰の眠りをかきみだす。
 
まぶたを閉ざす夜の闇よ。憐みにみちた昼の間のやさしい目を薄衣で包み、覆うがいい。
 
言葉を封じられた悲嘆は、言葉にならぬ言葉となって胸に渦巻き、ついには心臓が張り裂けずにはすまぬぞ。
 

意思はどれだけ速やかだろうと、実行が同時に伴わなければ、かならず先を越されてしまうほかない。

 

さいげんを知らぬ放縦は、たしかに人間の本性においては、一種の暴虐にはちがいない。そのためにこれまでにも、数多くの王者たちが安穏と玉座についていながら、時ならぬ時に王位を失った例もめずらしくはない。