Takecの本ブログ

好きな本について。毎月『きっかけ読書会』を主宰。

歴史を活かす

『歴史を活かす力』出口治明文藝春秋


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世界史を学ぶことは大切と、幾度となく聞いてきたし、目にしてきた気がします。


ただ個人的には苦手で、何度もチャレンジするのですが、挫折します。とにかく固有名詞が覚えられない笑


でも出口さんはけっこうわかりやすく説明してくれるし、ポイントも押さえて教えてくれるので理解しやすくて助かります。ほんとに大尊敬です。


今回はこの「歴史を活かす力」というノウハウ寄りのタイトルで今後の自分にも活かせそうだなと思って読んでみました。歴史を学びたい気持ちはあるので。


この本では、色んなジャンルでQ&A方式で出口さんが答えてくれます。


マネー、失敗、リーダー、大逆転、女性、宗教、戦争、ライフスタイルアメリカ、日本と世界などなど。広範囲に渡ります。


写真も多く挟まれていて、歴史の素人でも読みやすいと思います。


そして、「歴史上の大きな成功や失敗、その背景や原因を理解して活かしていく」、その大切さを教えてくれます。


・偉大なリーダーは大きなグランドデザインを描く
・有能な人材の登用、人材育成
ダイバーシティの尊重
・さまざまな意見を聞く
・広い世界を見る、海外に出る
鎖国は×
・新しい技術の導入

 

などなど。
至言ですね。


宗教や料理の歴史の話もあり、雑学的面白さも含んでいました。


色んな人の意見を聞く
自分の外の世界に出る(場所や人)


をやろうと思います。


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歴史を学ぶことの意義の一つは、このように予期せぬ出来事に遭遇した時、適応するため参考にする、すなわち「歴史を活かす」ことにつきるたろうと僕は考えてます。


最大の失敗は、やはり鎖国です。


人間は交易によって豊かになる


政治を行うにあたってはさまざまな意見を聞くことが大切


開明的な人材を能力主義で発掘したのも画期的


改革を実現するための人材登用、人材育成までしっかり押さえていました。


連合王国の最大の失敗といえば、ブレグジット


連合王国は大陸と切り離されてうまくいったためしはない


新しいもの好きの蘇我氏は、外国の文化を取り入れることに積極的でした。


異質な文化で育った人の混成チームは強い


歴史に登場する大帝国や覇権国家には、いくつかの共通点があります。


ダイバーシティの尊重、身分にとらわれない実力主義、新しい技術の導入などです。しかし最大のポイントは、合理的でシンプルなグランドデザインを生み出したかどうかです。


信長
大きなグランドデザインを描けた


征服した国の優秀な人材を根こそぎ登用したからです。


リーダーが最も働くのは、グローバル基準から見て当然のことです。


阿部のグランドデザインとは、「開国・富国・強兵」ですが、吉田はこの中の開国・富国に的を絞って復興を徹底的に推し進めた


ヨーロッパの歴史でキーマンを3人挙げるなら、ローマ帝国のグランドデザインを描いた古代ローマのユリウスカエサル、フェでリーコ二世、ナポレオン


リーダーの最も大切な仕事は、将来のビジョンを描くことです。


政府の首脳が広い世界を見て自分たちの実力を知った。


リーダーは有能な人材をうまく使った方の勝ち


劉邦は自分の能力はそれほど高くないことがよくわかっていたので、専門家の意見をよく聞いた


外国出身者でも、優秀な人材はきちんとリスペクトして登用してきたのが日本の歴史です。


開国とは何かといえば、世界の国々と仲よくするという国際協調主義


どれだけ統率力があっても、優れたグランドデザインを描けなければ、リーダーとして失格。


人間の歴史は、大規模な移動や交易によって発展してきたといっても決して過言ではありません。