Takecの本ブログ

好きな本について。毎月『きっかけ読書会』を主宰。

巨視

落合陽一『ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える』 

 
NHKの『ズームバック×オチアイ』の番組をまとめた本。現在のNHKの膨大なアーカイブに接続して歴史を『巨視』し、視野を広げて現在の混迷の先にある未来を考える、というテーマの本です。
 
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
ドイツの宰相オットー・ビスマルクが残した金言。
何回も聞いたことあるけど、自分はあんまり実践できてないので、とても新鮮で刺戟的でした。
 
読んでみると、コンヴィヴィアリティ(連帯性)、主体的さ選択による豊かさ、ダイバーシティインクルージョン、祝祭性の維持、創作、インフォーマルソーシャルネットワークなどなど、キーワードにあふれていました。
オードリータンやマルクスガブリエルとの対談なども含まれていて、興味をそそられました。
 
いくつか紹介します。
 
●歴史を学ぶ
ライフスタイルとファッション
ファッションは見た目だけではなく、使うテクノロジーや政治的な思想、社会活動などその人を取り囲むあらゆるものを指す
 
●コンヴィヴィアリティ
生きるために資本主義に対してとか「社会の中で相互理解の上に成り立つ個性の交わり」を意味する
経済的には明らかに生産性が低くても、連帯性を強めるということです。
コロナ禍では連帯、自立共生、創作が新しいかっこよさとなる社会になるかもしれません
いま目の前の環境にあるものを活かして、共に生きていこうという考え
 
●デジタルデトックス
つながりすぎてはいけないし、つながらない時間が長すぎてもいけない
 
●豊かさとは、主体的な選択の積み重ね
皆が時間や心に余裕を持つことが、社会によって良い状態
 
ほどほどのコンセンサスで成り立つようになれば、働き方や生き方が多様になります
 
●祝祭性
どう維持していくか
無視してはいけないテーマ
 
●自分の時間をより有効な探査的な投資に開放すれば、それは自分の富を増やすことになる
探査的な投資とは要はリサーチのこと(建築家バックミンスター・フラー
 
●今日が最後の日だとしたら、本当に今日することをやるだろうか
人生最後の日でもやることしかしない(ジョブズ
 
●ゆるくつながるものをなるべく失わない
たとえば、趣味のコミュニティ
 
●互いを理解し合うためにも、プリュリバースの発想が大切
みんなどうでもよくて、みんな大切
 
●絶望の中のアートの力
デジタルテクノロジーによって創作する環境を整えやすくなった
 
●インフォーマルソーシャルネットワーク
サードプレイス
常連が新顔を受けいれる
 
この本を読んでやっていきたいことがたくさん出てきました。
 
歴史に関する本を読む
新しいテクノロジーを使っていく。
自分の独創性と創作を大事にする
スマホを触らない時間を作る
仕事少し早く終わって自分の時間を作る
祝祭性やイベント、直接の集まりや人に会う付き合いをしていく
直感に従う
創作は続ける
 
現代の最先端をいく人々の知からの示唆、活かしていきたいですね。