Takecの本ブログ

好きな本について。毎月『きっかけ読書会』を主宰。

ローマ教皇にご報告

『クアトロ・ラガッツィ 上 天正少年使節と世界帝国(上)』

若桑 みどり

 

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歴史に学びたい。最近その思いがあります。この本は出口治明さんのおススメで、徹夜で読み通したという本ということで読んでみる ことにしました。

 

あらすじを少し紹介します。信長の時代に、日本にキリスト教が来て広がっていきます。布教の運営側と宣教師たちは日本人の資質の 高さと優秀さに気づき、その実状と成果の報告とともに、日本の布教のための財政支援を受けるために使節ローマ教皇の元に送るこ とになります。

 

その過程でたくさんの話に触れられていました。

 

仏教徒キリスト教の対比
・信長のキリスト教に対する姿勢
キリスト教の世界布教の理由
キリスト教の布教において学ぶ点
・現代にも通じる啓発されるポイント

・ヨーロッパと日本における、法と正義の違い

 

などなど。
さまざまな歴史家の分析や書籍やコメント、オフィシャルな文書等からの引用も多く、考察がとても深く、読み応えがありました。

 

全体として学びがあったのは、井の中の蛙ではいけなくて、世界の情勢や動向を知ること。そして最新技術の導入と教育の重要性です 。

あとは、海外に出てやっていくためには現地の人の心や習慣に合わせていくことです。

 

自分も海外の最新の世界情勢や経済やビジネスの動向を知っていく 必要がある、またテクノロジーの活用ももっとしていかないといけないと思いました。教育は言わずもがなで、読書や勉強、経 験に対する投資は惜しまないようにしようと思いました。

あと、今後、海外に出る機会があれば、現地の人の習慣や心に自分が合わせていくようにします。

 

本文の内容を一部紹介します。

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仏教徒キリスト教との対比】
キリスト教の仏教の対比 慈悲
貧乏な人が宗教に救いを求めた
神の国での平等な幸福を約束してくれる

 

キリスト教が敗北した原因日本で
神仏信仰と拮抗したからだけではなく、封建社会の道徳が破壊され る危険があった

 

主君の命令には断じて従う封建制
主君の命令より自分の信仰を大事にするエステバン

 

新しい宗教に走ることは、自分の身分や地位、そして経済的基盤や支配の形式さえも破壊の危機にさらすことになってしまう

 

仏教⇨輪廻、涅槃、業カルマの概念
この罪過の重荷が消滅しなければ、魂は動物や人間の中で何度とな く生まれ変わる
キリスト教人間の霊魂は不滅で、動物などには生まれ変わらない
いまのままの自分が体を脱ぎ捨て、生きていたときの行いの結果によって救われる

 

仏教の女性蔑視、差別
女性は本来不浄
何の罪もないのに地獄行き?キリスト教には救いがある
改宗したのは女性が多かった

 

キリスト教の布教において学ぶ点】
当初のカブラルの方針には問題が
自分が日本人の心や習慣に合わせるのではなくわ自分の心や習慣に 日本人を合わせようとした
キリスト教が全世界の異なった文明と交わる時に犯した大きなあや まりのひとつだった


対してヴァリニャーノ
われわれが、あらゆる点で彼らに順応しなければならない
ザビエルが開始し、ヴァリニャーノによってかたちづくられた
高い立場から一方的に押し付けては、従わせることはできるかもし れないが、心に会うことはできず、ほんとうの教育はできない
順応策

 

キリスト教の世界布教の理由】
キリスト教の堕落ルターの宗教改革
なぜ世界布教なのか
カトリックがヨーロッパ内部で多くを失ったからヨーロッパ内での 回復は難しかった
失地回復のため、植民地で住民をキリスト教化しようとして宣教師 を送り込んだ

 

【スペインの没落の原因】
16世紀、世界の中心に位置しながら、ヨーロッパ世界経済を自国 の支配的社会階層の利益に結びつけることができなかった
スペインは基幹となる工業を興さなかった
支配階級が商業や金融業に従事して資本を溜めることをしなかった 。豪奢な芸術に資金を浪費し、産業や商業ではなく、土地に投資し た。

 

使節派遣の目的】
生まれたとき、幼い時に洗礼を受けた人間を、利益または知識によ って改宗した人間よりも好んだのである
少年は、キリスト教が、この日本という大地に蒔かれて、はじめてそこで採れた初穂なのだ。
布教以来30年、いまやっと初穂が取れた。だから少年をローマに送るのである
教育は未来への種まき
日本人の素晴らしい資質からみて、必ずやアジアにおける最高のカ トリック協会を築き上げるべきこの日本の布教を支援する、真の、また最高の責任者は普遍協会の長であるローマ教皇その人でなけら ばならなかった。
教皇使節を送ろう、ヴァリニャーノはそう決心した。

 

王ならびに教皇に対して、日本への物質的なまたは精神的な援助を 求めること
日本人にキリスト教の栄光と偉大さを知らせること

日本人は自分の国と中国が最高と思ってる
日本人に他の国を見せること。知らせること。
つまり自分たちが知っているわずかな国ののかには国がないという 考えをとりのぞくこと。


【信長のキリスト教に対する姿勢】
「遠い異国からきたんだから名誉なことだ」
仏教や神道の勢力…自分たちの権益や利益を今まで通り保証するために、新しい宗教を 排斥する
仏教の勢力をなんとかしなければ天下を掌握できないと思っていた
遠くから来た宗教をさが仏教の専制的支配を崩し、少なくとも、相 対化して平地にしてくれるのならば、そらは大いにけっこうだ

自由に都に滞在できるように免許状を出す殿下の偉大さが世界に広 まるだろう
嬉しそうな顔を見せた

宣教師の京都での居住を許可 将軍の制札も

新しい宗教の到来によって既存の勢力をつき崩すことになるならそれは心の革命であって、血は流されることはない

信長は国内ではなく、国外にまなざしを向けている人間だということを示している

信長はあるとき、フロイスに向かって、よはおまえたちの神を信じない。日本の神も仏もだ、と言った。もしそれがほんとうなら、 信長がキリスト教を保護したのは、政治的な理由のためである

彼はみずからが神になること、そして中国を征服し、アジアの支配 者となることを考えていた
秀吉は信長の計画を継承し、失敗したにすぎない
信長はイエズス会の布教活動、さらには南蛮諸国の貿易と一体化し て植民地政策と連動して全国制覇を遂行しつつあっ

 

将来の教育のために印刷所を開くつもりだったヴァリニャーノの深謀遠慮

印刷技術を輸入して教えを広めるという計画は、ヴァリニャーノに とって使節派遣と同じくらいだいじだった


使節が見たこと。日本と欧州の対比】
法と正義
ヨーロッパでは、王自身さえ同じ法律に服しておられる

日本⇨機嫌、癇癪、怒り、憎しみ、恐れ、心の動揺で他人の過失を判断→ 極刑


●面白かったこと

アルメイダ

マカオとの交易によって日本の布教が支えられていた

商人が神父をした

 

ヴァリニャーノが見た日本の五大悪

好色、裏切り、虚言、残酷、泥酔

仏僧男色


歴史上稀代の女狂いは秀吉

 

自己啓発

女性の本性として妬み深い

 

われわれが、あらゆる点で彼らに順応しなければならないほんとうの布教をするには、なによりも宣教師が日本語を知らなけ ればならない

 

信長は国内ではなく、国外にまなざしを向けている人間だということを示している


世界の外を知らないといけない 井の中の蛙は×

 

最新技術の導入と教育の重要性

愛読の始まり?

マクベス』ウィリアム シェイクスピア (著),  安西 徹雄 (翻訳),(光文社古典新訳文庫
 

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偉大な文学者が、口を揃えて賞賛するシェイクスピア
 
あの文豪ゲーテにも別格扱いで尊敬されています。「シェイクスピアは偉大すぎて読むのは年1回くらいにした方がいい。」と、『ゲーテとの対話』の中で言っています。
 
また、生涯数万冊を読破したノーベル文学賞作家のヘルマン・ヘッセが推賞する「世界文学リスト」に、シェイクスピアの作品が軒並み名を連ねています。
 
何度も挫折しましたが、まずマンガから読んで、ストーリーの全体像を把握して、原作を読むと読めたこともあり、好きになっていきました。
 
ハムレット』『マクベス』『リア王』『オセロー』『ジュリアス・シーザー』『ヴェニスの商人』『ロミオとジュリエット』『リチャード3世』などを読みましたが、シェイクスピアの何が凄いのでしょうか。
 
個人的な意見ですが、シェイクスピアが凄いのは、人間の欲望とか本質の描写、圧倒的な珠玉の言葉の芸術と表現、ストーリーの面白さ、楽しさやエンターテイメント性と、時々挟まれる人生訓や金言の掛け算が唯一無二であるからだと自分では思ってます。
 
そして、これらの偉大な作品をもう一度読もうと思って、2周目にチャレンジしているところです。
 
ハムレット』『リア王』『ヴェニスの商人』は2回目を読み、次は『マクベス』を読んでみようと思いました。
 
ゲーテも、「中でもマクベスが、1番優れている」と言っています。
 
物語の内容としては、スコットランドを舞台とした、王位継承を狙う野望の強いマクベスと夫人がしかける血なまぐさい権力闘争劇。
 
権力の座に就きたい人間の本性や欲望、逆に正義感のある人間の誠実さや愛国心が描かれており、
三人の魔女の登場と魔女の予言、謎かけも含んだストーリーの楽しさやエンターテイメント性もあり、
いくつもの煌めく言葉の芸術とアート、時々挟まれる人生訓や金言も含めてやはり素晴らしいものがあります。
 
この本を読んで、改めてシェイクスピアは愛読していこうと思いました。
次は『オセロー』を読み直してみたいと思います。
 
そして、権力や出世や地位を追い求めるのではなくて、それ以外の幸せを大事にしようと思いました。
 
意思とともに、実行を速くする。
さいげんを知らぬ放縦は控える。
※放縦 ほうしょう ・・・思うままにふるまうこと。
 
これも学んだことですね。
 
いくつか、響いた言葉たちをメモしておきます。
 
====================================================
 
あいつのまぶたに眠りの宿ることはない
 
そなたの武勲の足取りはあまりに速く、いかなる恩賞が翼で翔けても追いつくことは叶わぬ
 
天の星々よ、光を消せ。おれのこの胸の奥底にわだかまる黒い野望に、光を当てるな。手のやることを目には見せるな。
 
さあ、来い、闇深い夜、真っ黒い地獄の闇に身を包め。そうすれば私の鋭い短剣も、刃がえぐる傷口を見ることはなく、天が闇の帳をつらぬき、高く呼ばわることもあるまい、「待て、待て」と。
 
罪のない花を装いながら、花の陰に隠れているヘビでいなくてはなりません。
 
この城には天の息吹も、かぐわしい香りを吹き送っていることが窺われます
 
邪な帳の陰の眠りをかきみだす。
 
まぶたを閉ざす夜の闇よ。憐みにみちた昼の間のやさしい目を薄衣で包み、覆うがいい。
 
言葉を封じられた悲嘆は、言葉にならぬ言葉となって胸に渦巻き、ついには心臓が張り裂けずにはすまぬぞ。
 

意思はどれだけ速やかだろうと、実行が同時に伴わなければ、かならず先を越されてしまうほかない。

 

さいげんを知らぬ放縦は、たしかに人間の本性においては、一種の暴虐にはちがいない。そのためにこれまでにも、数多くの王者たちが安穏と玉座についていながら、時ならぬ時に王位を失った例もめずらしくはない。

 

1万冊以上読んだ人の…

 

 

1万冊以上本を読んで活かしてきた出口治明さんの本の使い方。


学んでみたいと思って読んでみました。

 

『本の「使い方」』出口治明角川書店

 

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教育+教養=より良い生活
タテヨコ思考
古典を読む
読書の習慣化
仕事で必要な知識は、無条件で勉強する
読書は著者との真剣勝負
著者の思考プロセスを追体験する
アウトプットするから、インプットされる

 

などなど、読書が日常の一部で当たり前になってる人の読書に対する姿勢は尊敬です。


私も気を引き締めて、また読書を続けていこうと思いました。


一部、出口さんが頭良すぎるので参考にならない部分もありましたが(笑)、活かせるところは活かしていきたいと思います。


歴史に関する本を読む
名著、古典を読む
コトラードラッカーを読む
お風呂入ってから、寝る前の時間は読書する
ワインの本を読む
著者との真剣勝負で読む
アウトプットの時間を先に取る

面白そうな本を読む

本の感想を人に話す


やっていきます。


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教育+教養=より良い生活


人、本、旅


タテヨコ思考

タテ思考 人類の、あるいは会社の歴史と照らし合わせて考えること

ヨコ思考 世界の人々、あるいは他社などの状況を照らし合わせて考えること

 

何百年も読み継がれたものは当たり外れが少ない


好きなものから学べばいい


仕事で必要な知識は、無条件で勉強する


移動時間や就寝前の1時間、週末に読む


ただ楽しい、おもしろいという理由だけで読む場合がほとんどです。


新しい知識を整合的に学ぶには、7〜8冊の本が必要


新しい知識を得るときは、厚い本を最初に読む


人生はお金を使ってなんぼなので、宵越しのお金は持たない


ビジネス書より古典を


著者の思考プロセスを追体験することなのよってしか、人間の思考力は鍛えられない


古典を読みなれていない人は、薄い本から読む


岩波書店の書物誕生シリーズ


立ち読みをして、最初の5ページで決める


新聞3紙の書評欄を見て、ムラムラした本を選ぶ


ベストセラー本は読まない


ネクタイを締め、正座をするぐらいの気持ちで本を読む


歯を磨くように習慣化する


読書は著者との真剣勝負


私は一文一文、一字一句納得できるまで丁寧に本を読み込んでいきます。


書いてあることが途中でわからなくなったら、納得がいくまで、その部分を繰り返し読みます。


ビジネス書は後出しジャンケンである


ビジネスは、人間を相手にするものなので、ビジネス書を読むこと以上に、人間社会の本質を知ることの方が大切だと考えているから


基本書であるドラッカーコトラーを押さえておくれ


古典
相手が言っている内容を100%理解できないと考えたほうがいい


人間ができることは、実はほんの少ししかありません。自分が置かれた場所で、自分にできることを精一杯やっていく。それが難しければ場所を変える


一生懸命面白い本を読んでいけばいい


インプットしたものは、アウトプットしてこそ記憶に留めておくことができます。


本の感想を人に話したり、発信したりする


アウトプットするから、インプットされる

頭がいい人は何が違う?

『頭がいい人の読書術』尾藤 克之

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読書術の本は時々読みたくなります。
この本は非常にマウンティングを感じるタイトルですが(笑)、「頭がいい人」の読書術を教えて頂こうと思って読んでみました。
 
人気コラムニストの著者は、1年に1000冊の本を読み、400本の記事を執筆。
これまで読んできた本は優に1万冊を超え、アウトプットしてきた本は7000冊以上にものぼるとのこと。
本書では、著者が実践してきた【1冊10 分でインプットし、30 分でアウトプットする技術】を公開してくれています。
 
インプット&アウトプットの繰り返しで圧倒的に成長できる
読書習慣をつける
3分の1リーディング
本を読む目的を明確にする
なるべく他の人が読まないような本を読む
 
などなど、わかっていてもできていないことに改めて気づきました。
知っていることと、やるということは別ですね。
 
やっていきたいと思います。
 
読んだ本をアウトプットする
インプットよりアウトプットの時間を先に取る(朝はアウトプット、夜は読む。読むのは当たり前。いかにアウトプットするか)
読書日記をつける
枕元と机の上に本を置く
読む目的を明確にする
軽めのビジネス書や実用書は、目的を明確にした上で、3分の1リーディングをする
目次を読み、全体像を把握する
本にマーカーや書き込みをして、汚く読む
名著、古典を読む
お風呂後〜寝る前は本を読む
純文学や小説を読む(癒されるのでは)
読んでから時間が経った本や、読書メモを読み直す
読んだ本を人に話す
カフェで本読む。本を読むためだけに行く。携帯を置いていく
日経をしっかり読み込む。それができたら次の新聞かビジネス誌を読む。
文章で最初の100文字の「フック」を意識する。
最初に結論を書く
行けるタイミングがあれば書店に行く
 
一冊の本から学ぶこと、アウトプットすべきことは多いですね。
 
本文の内容を一部紹介します。
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一冊10分で読み、30分で記事にする
 
最も大切なことは、本で読んだ内容を、価値ある情報としてアウトプットできるようになることです。
 
はじめに、おわりに、第1章を読めば、内容の7割はつかめる
 
インプット&アウトプットの繰り返しで圧倒的に成長できる
 
 
読書日記をつける
 
目に見える場所に本を置く
 
 
ビジネス書や実用書など、分野は限られますが、「タイポグリセミア現象」を利用して、本の上部分の3分の1を読むことで、6〜7割程度の内容をつかむことが可能
 
本の2割を読めば、8割の重要な情報がわかる
 
本は10分で読むことができる。まずは10分で60%理解することをゴールにする
 
目次を読み、全体像を把握する
 
本にマーカーや書き込みをして、汚く読む
 
著者の立場になりきって読む
 
目的1つで、スピードも吸収力も一気に加速する
 
 
成長という観点からは、なるべく他の人が読まないような本を読むことをおすすめします。
 
 
1日1時間の読書タイムで、仕事も人間関係も豊かになる
 
 
記憶に簡単に定着させるには、1週間経過したら戻って読む反復読書が効果的
 
人に話したり、文章にまとめる
 
朝一番と寝る前の大切な時間、どちらかを読書の時間にあてる
 
 
集中できるお気に入りの場所を見つければいい
 
 
 
 
古典名作を読んで教養を深める
 
文章で効果的に伝えるために大切なものが「フック」です。
最初の100文字。レポート用紙で最初の3行はとくに重要です。
 
最初に結論を書く
 
最後まで読ませる仕掛けを入れる
 
 
 
書店に足を運ぶ
 

明治維新最大の功労者

安政維新 阿部正弘の生涯』 穂高健一(南々社)
 

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明治維新の最大の功労者は誰か?
 
坂本竜馬でも吉田松陰でもない。阿部正弘
 
明治維新とは何だったのか』の中で、歴史探偵こと半藤一利さんと出口治明さんが一致して語っていた意見です。
 
それは阿部正弘が開国、富国強兵のグランドデザインを描いたから。
 
倒幕前から、幕府はそれに向けて動いていたのです。
 
歴史にタラレバは禁物と聞いたことはありますが、薩長による武力革命がなくても、開国と富国強兵はできていた話。
 
そして阿部正弘の偉大なところ。
 
・人材の抜擢と登用
・色んな人の意見や諫言を聞く、取り入れる
 
ということでした。
 
これはリーダーシップや組織論の古典でもある『貞観政要』でも書かれていることで、金言とも言えます。
 
あとは教育や読書に重きを置いていたこと。外国事情や海外の動向を把握していたということ。尊敬です。
 
・周りや部下の諫言や意見を聞く
・人に任せて口出ししない
・教育、勉強、自己投資にお金をけちらず使う
・人に対する教育の時間を取る
・斬新なことを提案する
・本を読む時間をつくる。本を読むためだけにカフェに行く。
・隙間時間で本を読む。勉強する。
・世界情勢、ビジネストレンド、テクノロジーを知る、新聞やニュースを読む。
・ひとへの優しさを持ち、争わない
・意表を突くやり方や奇策を考える
 
やっていきたいですね。
 
本文の内容を一部紹介します。
ーーーーーーーーーー
 
ふだん、正弘はどんな諫言や苦言にたいしても、耳をかたむける。しかし、それを聞き入れるかとなると、まったく別のもの。最後はおのれの判断で処す。
 
敵意に満ちた狂言はほとんど後世に伝わっていない。そこには庶民に親しまれた正弘の姿がある。
 
阿部家の歴代藩主はみな教育熱心である。
家中たちが、武芸以上に勉学で競う風土が福山藩内にはあった。
 
『身分にとらわれない、有能な人材の登用につとめられよ』、これが最も重要じゃ
 
低い地位のものでも、大胆に抜擢する。国政に有能な人材をあつめれば、戦争の兆候があっても戦争回避の英知がでてくる。国家を変えるのは、優秀な人材だ。
 
駕籠のなかが正弘にとって、たいせつな読書の場でもあった。
 
町の様子、民の姿をみて、人々の暮らしぶりや世情を知る。これは松浦静山からおそわった帝王学でもあった。
 
正弘は諸事を重臣に任せていた。簡略を旨として、家中にはあれこれ言わず、穏やかな態度で接し、みだりに命令を下さなかった。
 
国難をのりきるには人材養成が最も重要と考え
 
藩主みずから学ぶ姿勢があれば、藩の勉学の風土が高まると、正弘は考えていた。
 
大奥を制する者が、将軍を制する
 
数字につよい正弘は財政、経済を得意とする
 
政権への求心力とは、斬新さである。
 
老中首座の人事権をいきなり発動した。
 
正弘人事のすごさに畏怖をおぼえたにちがいない。
 
伊勢守どのは、頭脳明晰だし、勉強家だ。ちょっとしたヒマを見つけては、蘭学や洋楽の本を読みあさっておる。
 
世界の動きはよく見ておかなければならぬ。
 
妬みなど
毅然とそれを超越し
 
人材抜擢
 
この国難の折りだがから、政道にたいして意見があれば、どんな内容も差し支えない。心底から申せ
正弘が封建時代に『言論の自由』を認めたのだ。
 
ひとの意表を突く
これが阿部流の独特のやり方であった。
 
伊豆大島上陸は人道的な処置だ。ひとのいのちを大切にする
 
国富論からそれば、質素倹約が弊害になります。
 
幕府が口出しすると、かえって景気が悪くなります。
 
正弘の哲学は、ひとへの優しさだ。伊勢守は民を豊かにする想いをもち、争いごとを好まなかった。まして、戦争などは徹底回避してきた。
 

farewell to ...

ヘミングウェイ武器よさらば(上)、(下)』
光文社古典新訳文庫

 

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先日の読書会で紹介した本です。

 

舞台は第一次世界大戦イタリア軍VSオーストリア軍。イタリア軍に負傷兵運搬の役割として参加するアメリカ人が主人公。

遊び半分で始まった恋の深まりと美しい愛への展開。
戦争の空虚さや悲惨さ。
生と死の対比。
そして最後は悲しい結末。


胸が締め付けられる思いがしました。

 

「人は死ぬ」、だから後悔のないように人生楽しまないと。と思ったので、人生楽しんでいくことにします😆

 

そして、ヘミングウェイがお酒好きだったからなのか、随所に挟まれるお酒がキラリと光って美味しそうでした。

 

自分も日常の中で、美味しいお酒や食事を楽しんでいこうと思いました。

 

あと、『老人と海』もそうですが、ヘミングウェイの作品は、文や会話が短く、読みやすくて入っていきやすいと思います。そして生き生きとした言葉や表現。ありありと目の前の光景のように浮かび上がってくるような感じがします。好きな感じなので、また別の作品も読んでみたいと思います。

 

本の中で響いた言葉をいくつか紹介します。
 
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だれかを心から好きになるとき、人は相手のために何かをしてあげたくなるものです。自ら犠牲になりたいと思うものです。たかえたいと思うものです。


キャサリンは初々しく若々しく、息を飲むほど美しかった。これほど美しい人を見るのは初めてだと思ったくらいだ。


やあ
おれはキャサリンを見た瞬間、恋に落ちた。


きみに夢中なんだ


おれは結婚したくてしょうがなかった


でも人生なんてなんとかなるものよ。失うものがなにもないときにはね


きみは最高の女性だ。


単純で素朴なかわいい女の子だよ


やっぱり、きみはかわいい


ワインは偉大なり。憂きことすべて流し去る
→お酒や食事を楽しんで飲む


死はいきなり、なんの前触れもなくやってくる。


人は死ぬものだ。人は死ぬ。


うろうろしているうちに死んでいく


神様、死なせないでください。

兵法を活かして

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孫子の兵法』守屋洋(知的生き方文庫)

 

よく古典や名著の代表作として名前が挙げられる『孫子


私も何回か読んだのですが、いまいち実践できている気がしません。


そこで再読し、もう少し深く理解し、実践まで繋げようという思いで読んでみました。


「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず」の言葉は有名ですが、下記の点も改めて学びました。


集団での力を出す
戦わずして勝つ
勢いに乗る
奇策を打つ
疾風のように早く行動する
戦意旺盛な敵を攻撃しない
守りを固める
怒らない
部下に必死にさせる
業績は正当に評価する
部下によけいな口出しをしない
敵より先に戦場におもむいて相手を迎え撃つ
敵の守っていない所を攻める
敵の油断を誘う
諸外国の動向を察知する
利益と損失の両面から物事を考える
温情と軍律の両面が必要である


これを踏まえてやっていきます。ちゃんも活かせたらいいな。


・集団で力を出す作戦を考える
・仕事、プライベートで奇策や勝てる戦略を考えて実行する
・仕事、プライベートで自分の強みや相手の弱みを考えて実行する

・早く行動する
・部下に仕事を与えて必死になってもらう
・怒らない

・海外やビジネス、テクノロジーや経済の最先端情報を取りに行く