幸福を得るには
『ニコマコス倫理学(上)』アリストテレス (著), 渡辺 邦夫 (翻訳), 立花 幸司 (翻訳) 光文社古典新訳文庫
約2400年前の偉大な哲学者 アリストテレスが残した熱いメッセージ。
著者によると、「本書は全体として、アリストテレスが次世代を担うべきすぐれたギリシャ人に向けて、またそのことを通じて(間接的に)人生と社会について深く考える力のあるあらゆる人に向けて贈る、教育と倫理と政治にかかわる熱いメッセージなのです。」とのこと
中でもメインのテーマは幸福で、幸福が学問的に考察されているようです。
色んな著名人の方の本を読む中で、よくアリストテレスの名前が出てくることもあり、読んでみることにしました。
高校生の時、大嫌いで倫理の授業をサボっていた自分が今の自分を見たらびっくりすることでしょう笑
さて、では幸福を得るためにはどうすればいいか。
そのコツが書かれており、今後の自分の行動や行為を高く意識することになると思います。
アリストテレスと対話しながら読むのはかなりキツいですが(笑)、みなさんも機会があればチャレンジして読んでみてください。
僕はこの本を読んでやってみようと思います。
・優れた善い習慣を創り、繰り返す
・一回一回の行為で善き行為の方を選択する
・感情と行為は中間性を意識し、ほどほどにする。いきすぎない。
・スピードよりも深く考える、勇気を出す、節制を心掛ける
・生活必需品や小さなことを気にしない
一部本文の内容を紹介します。ご興味のある方はどうぞ。
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ある種の学習と配慮によって、幸福がもたらされることが可能
アレテー(徳)に基づいた活動が幸福を決定する
人生全体に渡りアレテー(徳)を発揮することで幸福になる
アレテーは知的なアレテー(知恵、思慮深さなど)と人柄のアレテー(勇気、節制など)がある
知的なアレテーは教示による。人柄のアレテーは習慣による
人柄の徳は、感情と行為においてちょうどしかるべき中間的な性向である
どんな事柄においても、快いものと快楽をもっとも警戒すべきである
志の高い人は、生活必需品や小さなものごとについて愚痴をこぼしたり、ねだったりということをしない
最善なのは、自分に対して徳を使用する人ではなく、他人に対して徳を発揮する人である。なぜなら、このことが難しい仕事だからである。
活動を一定のすぐれた性質のものにしておかなければならない
またわれわれは、自分がどのような方向に向かってゆく傾向があるのか、考えなければならない。
これからの一回一回の行為が、いかに一生涯におよぶ重みを持ちうるか
これからの或る行為がすぐれているとき、その行為はその行為として受講者によい成果をもたらすでしょうが、それだけでなく、その行為に関係する習慣の固定や改善につながることにより、中長期的にもかれの幸福につながってゆくはずです。