Takecの本ブログ

好きな本について。毎月『きっかけ読書会』を主宰。

自分を省みる


マルクス・アウレーリウス 自省録』 (岩波文庫) 神谷 美恵子 (著)

 

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「歴史書を読め」

マキャヴェリの『君主論』の中でも、「精神の訓練のために歴史書を読むべき」という文がありました。また、『ナポレオン言行録』の中にも「歴史だけが真の哲学」というナポレオンの言葉がありました。

偉大な歴史書を読んでいきたい気持ちがあります。

まずは今持ってる本で読めそうな本を読んでみようと思いました。

    

この本は第16代ローマ皇帝であり、ストア派の哲学者であったマルクス・アウレリウス・アントニヌスが書いた手記です。
彼は哲学者の皇帝で、プラトンが理想とした哲人政治の実現例と見なされているらしいです。

       

読んでみると、透明感のある魂を震わす激励の言葉の数々。
宇宙の深遠さと人間に対する自然の働きのような深さを感じるような印象もあります。
普段の自分を思いっきり叱られている感じですが、自分を顧みるいい機会にもなったと思います。

    

Amazonの解説では、『あたかも一万年も生きるかのように行動するな.生きているうちに,許されている間に,善き人たれ──ローマ皇帝ストア派の哲人マルクス・アウレーリウス(121-180).多端な公務に東奔西走しつつ,透徹した目で自らを内省した記録は,古来,数知れぬ人々の心の糧となってきた.神谷美恵子の清冽な訳文に,新たな補注を加えた』

    

自分なりにかなり短くまとめると、

    

・人生は短い
・自分の役目・使命・義務を果たして、今やるべきことをしっかりやれ
・理性的に、善く生きよ

   

ではないでしょうか。

   

今自分ができることをしっかりやっていく。

   

心に刻んでいきたいと思います。

   

具体的には、やっぱり本や読書会、ワインのことをアウトプットして役に立つことを人に伝えていきたいですね。そして自分は怠け者であることを認めますが、文章を書くことを増やしていきたいと思います。

 

本文のメモです。   

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書物はあきらめよ。これにふけるな
したがって我々はいそがなくてはならない
各人はただ現在、この一瞬にしかすぎない現在のみを生きるのだということを。
終局の目的にむかっていそげ。
要するに人生は短い
自分自身の構成要素にふさわしいことをおこなうこと
自分がそのために生まれ、そのためにこの世にきた役目をしに行く
今すでに君がどれだけ沢山の徳を発揮しうるかを自覚しないのか
君が再びもどって行ってやろうとする事柄を愛せよ
快楽が我々をつまずかせるのではなかろうか
善く生きる
現在やっていることをよくやることで足りる
私は自分の義務をおこなう。ほかのことは私の気を散らなさい
会話に際しては人の言うことに注意していなくてはならない。またあらゆる行動に際しては、その結果生じてくることに注意していなくてはならない。
時を現在にかぎれ。
毎日をあたかもそれが自分の最期の日であるかのごとく過ごし、動揺もなく麻痺もなく偽善もないことにある
睡眠は理性のない動物にさえも共通のことである。
自分の意見を変え、自分の誤りを是正してくれる人に従うこともまた一つの自由行動である
自分はある仕事をするために生まれた。
では君はなんのために?
我々の指導理性が難攻不落になるのはどういうときかというと、これが自分自身に集中し、自己の欲せぬことはおこなわずに満足している場合である
君の内なる自然がなにを要求しているのかを観察せよ。
つぎにそれをおこなえ
現在の行動を正しく果すこと、
人間の構成要素にかなった行動を取る
現在の時のみを生きる修練を積む
全ては主観にすぎないことを思え。その主観は君の力でどうにでもなるのだ。
君の指導理性はいかに自分を用いているか。この一事に万事がある。